ウォーレン・バフェットの人生から学ぶ
「お金より先に育てたいもの」
世界有数の大富豪は、なぜ莫大な財産を築くことができたのか。
その人生をたどると、投資だけではない「人生のヒント」が見えてきます。
「お金持ちになりたい」
そう考えたことがある人は、決して少なくないと思います。
私も、お金についての記事を書いたり、実際に投資をしたりする中で、
「どうすれば資産を増やすことができるのだろう」
と考えることがあります。
そんなとき、どうしても気になる人物がいます。
ウォーレン・バフェットです。
投資に少しでも興味のある人なら、一度はその名前を聞いたことがあるでしょう。
「オマハの賢人」と呼ばれ、投資によって莫大な財産を築いた人物です。
2008年には、Forbesの世界長者番付でビル・ゲイツを抜き、実際に世界一の富豪になりました。当時の推定資産は620億ドルでした。
現在も世界有数の資産家で、2026年9月15日時点のForbesでは推定資産約1462億ドル、世界10位とされています。
しかし、私がバフェットの人生を知って最も興味を持ったのは、
「どうやってそこまでの人生をつくったのか」
という部分でした。
そしてバフェットの人生を見ていると、私たちのような普通の人でも参考にできることが、驚くほどたくさんあります。
11歳で初めて株を買った少年
ウォーレン・バフェットは1930年、アメリカのネブラスカ州オマハに生まれました。
父親は証券会社を営み、のちに連邦下院議員にもなった人物です。
バフェットは幼いころから数字と商売が大好きでした。
そして、まだ11歳だったときに初めて株を購入します。
普通の11歳なら、おもちゃや遊びに興味を持っている年齢です。
しかしバフェットは、すでに
「お金を使って、さらにお金を生み出す」
という世界に興味を持っていたのです。
とはいえ、最初から天才的な投資家だったわけではありません。
買った株が一度値下がりし、その後少し値上がりしたところですぐに売ってしまいました。
ところが、その株はその後さらに大きく値上がりしました。
この経験からバフェットは、
という長期投資につながる考え方を学んだとされています。
後年のバフェットは、優れた企業への投資について「お気に入りの保有期間は永遠」と表現するほど、長期保有を重視するようになりました。
私は、この話がとても興味深いと思います。
なぜなら、私たちは、成功した人を見ると、
「最初から何でも分かっていたのではないか」
と思ってしまいます。
しかし、バフェットでさえ失敗を経験しているのです。
大切なのは、失敗しないことではなく、失敗から何を学ぶか。
ここに一つ目の大きな教訓があるのではないでしょうか。
一攫千金ではなく、小さな商売を繰り返した
若いころのバフェットは、株だけをしていたわけではありません。
新聞配達などでお金を稼ぎ、商売そのものに強い関心を持っていました。
1936年ごろには、祖父の食料品店からコカ・コーラを6本25セントで仕入れ、近所で1本5セントで売っていたことを、後年本人が株主への手紙で振り返っています。
たった数セントの利益です。
しかし、
「いくらで仕入れて、いくらで売るのか」
「なぜ人はこの商品を買うのか」
という商売の基本を、少年時代から自分で経験していました。
面白いのは、そのコカ・コーラを、約50年後の1988年になってバークシャー・ハサウェイが大量に購入したことです。
少年時代に売っていた商品を、何十年後には会社そのものへの巨大な投資対象として見ることになったのです。
人生は不思議なものだと思います。
しかし同時に、ここから学べることがあります。
若いころの小さな経験は、決して無駄にならないということです。
そのときは何の役に立つか分からなくても、何十年後につながることがあります。
私自身も、これまで経験してきた仕事や投資、ブログやYouTubeなど、一つ一つを見ると小さなものかもしれません。
けれども、それらが将来どこでつながるのかは分かりません。
だから私は、
と思っています。
師匠ベンジャミン・グレアムとの出会い
バフェットの投資人生で欠かせない人物が、ベンジャミン・グレアムです。
コロンビア大学でグレアムから投資を学んだバフェットは、「価格」と「価値」は同じではないという考え方を身につけていきました。
株価が上がっているから良い会社なのではありません。
反対に、株価が下がっているから悪い会社とも限りません。
大切なのは、その会社には本当はどれくらいの価値があるのか。
その価値より十分安く買えるなら投資する。
これがバフェットの投資の土台になっていきます。
私は、この考え方は株だけの話ではないと思います。
世の中では、
- 「みんなが買っている」
- 「最近人気だから」
- 「価格が上がっている」
という理由で欲しくなるものがあります。
しかし、
これは投資でも、買い物でも、場合によっては人生の選択でも同じではないでしょうか。
安い会社を買うだけではなかった
その後のバフェットには、もう一人の重要な人物が現れます。
チャーリー・マンガーです。
バフェットとマンガーは長年にわたってバークシャー・ハサウェイを育てていきました。
そして投資の考え方も少しずつ変わっていきます。
単に「ものすごく安い会社」を探すだけではなく、
少し高くても、本当に優れた会社を買う
という考え方です。
その象徴の一つが、1972年に買収した菓子会社「シーズ・キャンディーズ」でした。
バフェットは後年、シーズが強いブランドと顧客からの支持を持ち、高い収益力を発揮したことを繰り返し株主への手紙で紹介しています。
そしてコカ・コーラのように、強いブランドや流通網を持つ企業について、競争から会社を守る「堀」があるという考え方を示しました。
= 他社が簡単には真似できない強み
私はこの考え方がとても好きです。
そして、これも企業だけではなく、人間にも当てはまるのではないかと思っています。
- 資格。
- 経験。
- 人との信頼関係。
- 専門知識。
- 文章を書く力。
- 人に分かりやすく教える力。
こうしたものも、自分自身を守ってくれる「堀」になります。
つまり私たちも、
自分自身の価値を高め、自分だけの強みを少しずつつくっていくことが大切なのではないでしょうか。
お金持ちになっても生活を大きく変えなかった
バフェットについて、私が特に面白いと思うのが生活スタイルです。
彼は1958年にオマハで3万1500ドルで購入した自宅に、その後も長く住み続けています。
何百億ドル、何千億ドルという単位の資産を持つ人物です。
世界中の豪邸をいくらでも買えるでしょう。
それでも、
とは考えなかった。
ここには、資産形成を考える上で非常に重要なことが隠されているように思います。
収入が増える。
すると、良い車を買う。
もっと大きな家を買う。
高級なものを買う。
すると、それを維持するために、さらにお金が必要になります。
もちろん、お金を使って人生を楽しむことは悪いことではありません。
私も、お金は使うためにあると思っています。
しかし、 「幸せになるための支出」と 「豊かであることを他人に見せるための支出」は 全く別物です。
後者を日本では「見栄」と言いますね。
幸せになるための支出はどんどんすべきだと思っていますが、見栄を張るための支出は無駄になる可能性が高いと思います。
バフェットの生き方を見ていると、そんなことを考えさせられます。
バフェットを大富豪にした「時間」
そして、私がバフェットの人生から最も学びたいと思うのが、時間の力です。
投資というと、
「どの株を買えば上がるのか」
という話になりがちです。
しかしバフェットの資産形成を考えるうえで、それと同じくらい重要なのが、
ではないでしょうか。
11歳で初めて株を買い、何十年にもわたって投資を続けてきました。
利益を得る。
その利益を再び投資する。
そこで生まれた利益を、さらに投資する。
これが複利です。
雪玉を坂の上から転がすと、最初は小さくても、雪を巻き込みながらだんだん大きくなります。
資産形成も同じです。
最初の金額が小さくても、時間を味方につければ、結果は大きく変わります。
これは私自身、投資をしていて強く感じることでもあります。
すぐに大きな利益を得ようとすると、どうしても大きなリスクを取りたくなります。
しかし、
と考えれば、投資の見え方は変わります。
50代になると、
「もっと若いころから投資をしておけばよかった」
と思うこともあるかもしれません。
私もそう感じることがあります。
しかし、そこで終わってしまえば何も変わりません。
今日が、これからの人生で一番若い日です。
50歳なら、60歳まで10年あります。
70歳まで20年あります。
まだ時間は残っています。
そして子どもには、もっと長い時間があります。
だからこそ私は、自分自身の資産形成だけでなく、子どもの将来についても「時間」を大切にすることを教えたいと思っています。
そして最後は「お金を手放す」
バフェットの人生には、もう一つ興味深いところがあります。
世界有数の大富豪になったにもかかわらず、最終的にはその巨額の財産の大部分を社会に還元しようとしていることです。
2006年から、バフェットはバークシャー・ハサウェイ株を複数の財団へ寄付する取り組みを本格化させました。
Forbesによると、2026年9月時点で寄付総額は720億ドルを超え、最終的には財産の99%以上を寄付する意向を示しています。
ここまでくると、
と考えてしまいます。
しかし、もしかするとバフェットにとって、お金そのものが最終目的ではなかったのかもしれません。
- 企業を見つける。
- 企業の価値を考える。
- 経営者を見る。
- 資本を配分する。
- そして何十年もその結果を見る。
そのゲームそのものが好きだったのではないか。
私は、バフェットの人生を見ているとそう感じます。
私がバフェットの人生から感じたこと
バフェットのように何兆円もの財産をつくることは、ほとんどの人にはできません。
もちろん、私にもできないでしょう。
しかし、
バフェットと同じ金額を持つことはできなくても、バフェットと同じ考え方の一部を生活に取り入れることはできます。
- すぐに結果を求めない。
- 自分が理解できないものに無理に手を出さない。
- 価値のあるものを見つける。
- 良いものは長く持つ。
- 無駄な見栄のためにお金を使わない。
- そして何より、時間を味方につける。
私は、これこそバフェットから学べる最大のことではないかと思っています。
資産形成というと、どうしても
「何を買うか」
ばかりに目が向きます。
しかし本当に重要なのは、
なのかもしれません。
お金より先に育てるもの
そして私は、バフェットの人生を調べながら、もう一つ感じました。
バフェットが最初から持っていた最大の財産は、
お金ではなかったのではないでしょうか。
好奇心。
学ぶ習慣。
数字を読む力。
企業を見る目。
忍耐力。
そして何十年も同じことを続ける力。
こうしたものが先にあり、
その結果として莫大な財産が生まれた。
そう考えると、
銀行口座の数字だけではない
ということに気づきます。
- 知識を増やす。
- 経験を増やす。
- 信用を増やす。
- できることを増やす。
- 健康を守る。
- 家族との時間を大切にする。
- そして、その上でお金も増やしていく。
私は中高年になった今、
「いくら持っているか」だけではなく、「これからの人生で何を増やしたいのか」
を考えることが、とても大切なのではないかと思っています。
ウォーレン・バフェットの人生が教えてくれること
ウォーレン・バフェットの人生は、
単なる
「株で大金持ちになった人の成功物語」
では終わりません。
むしろ、
小さな行動を長く続けることが、人生をどれほど大きく変えるのかを教えてくれる物語
なのではないでしょうか。
今日、何か一つを始めても、明日にはほとんど変化がないかもしれません。
1年でも、大した差には見えないかもしれません。
しかし、
10年後。
20年後。
その小さな差が、大きな差になることがあります。
バフェットの人生を見ていると、私はそう思います。
一攫千金を狙うのではなく、
今日から少しずつ積み上げる。
それがお金についても、仕事についても、人生についても、
老後に後悔しないための一番確実な方法なのかもしれません。



コメント