「もし宝くじで1億円当たったら、もう一生お金に困らない」
そう考えたことはありませんか?
1億円あれば住宅ローンを返して、好きな車を買って、旅行にも行ける。
仕事を辞めても大丈夫かもしれない。
ところが不思議なことに、宝くじで大金を手にしたにもかかわらず、その後お金に困ってしまう人がいるといわれています。
なぜ、普通に働いていたときより何十倍、何百倍ものお金を手に入れたのに、お金がなくなってしまうのでしょうか。
実はここには、お金について非常に重要な教訓があります。
「高額当せん者の7割が破産」は本当なのか?
最初に注意したいことがあります。
インターネットでは、
という話を見かけることがあります。
しかし、この「70%」という数字には確かな根拠が確認されていません。
日本でも、高額当せん者を何年間も追跡し、「何%が破産した」と示した公的な統計は確認できません。
つまり、
と決めつけるのは正しくありません。
実際、日本の宝くじ公式サイトが公表している高額当せん者へのアンケートでは、当せん金の使い道で最も多かったのは「貯蓄」です。
令和6年度の調査では、1,000万円以上の高額当せん者540人のうち、252人、46.7%が「貯蓄」を使い道として挙げています。
多くの人は意外と堅実なのです。
それでも、大金を失ってしまう人がいるのはなぜなのでしょうか。
罠①「1億円は使っても減らない」という錯覚
最大の原因はこれです。
1億円という数字が大きすぎるため、
「少しくらい使っても大丈夫」
と思ってしまうのです。
例えば、
高級車に1,000万円。
住宅購入に4,000万円。
家族に1,000万円。
旅行やブランド品などに500万円。
これだけで5,500万円です。
まだ4,500万円残っています。
すると本人には、
「まだ4,500万円もある」
と感じられます。
しかし、実際には資産の半分以上を失っています。
これが非常に怖いところです。
10万円しか持っていない人が5万円使えば「半分なくなった」と感じます。
ところが1億円から5,000万円使っても、
「まだ5,000万円ある」
と感じてしまう可能性があります。
罠② 一度上げた生活水準は下げにくい
もっと危険なのが「生活水準」です。
宝くじに当たった直後だけ高級ホテルに泊まり、高級車を買うのであれば、それほど大きな問題ではないかもしれません。
しかし、
「これくらいの生活が普通だ」
と思い始めると状況が変わります。
毎月の生活費が30万円だった人が、100万円使う生活になる。
年間では1,200万円です。
しかも住宅、車、税金、修繕、旅行などの大きな支出が加われば、さらに早く減ります。
そして、一度生活水準を上げて、その心地よい気分に浸ってしまうと、人間は元に戻るのがツラいのです。
元の生活に戻すのは非常に苦痛を伴うからです。
資産を守るうえで重要なのは、
「いくら持っているか」以上に「毎年いくら使うか」なのです。
罠③ 周囲の人との関係が変わる
大金を手に入れると、自分だけの問題では済まなくなることがあります。
「少し貸してほしい」
「事業を始めるから出資してほしい」
「家族なんだから助けてほしい」
そんな話が出てくる可能性があります。
100万円を一度渡すだけなら、1億円から見れば小さく感じるでしょう。
しかし、
「あの人には渡したのに、なぜ自分にはくれないのか」
となれば、人間関係まで複雑になります。
さらに、知識がない状態で高額な投資話や事業話に乗ってしまえば、数千万円単位のお金を失うこともあり得ます。
大金を守るには、使い方だけでなく、
罠④ 仕事を辞めて収入がゼロになる
「1億円当たったから会社を辞める」
一度は考えてしまいそうです。
しかし、ここにも落とし穴があります。
会社員なら毎月30万円の給料があった人でも、退職すれば給与収入はゼロになります。
つまり、それまでは
「給料を受け取って生活する人」
だったのが、
「資産を取り崩して生活する人」
に変わるのです。
例えば毎年500万円ずつ取り崩せば、運用益などを考えなければ20年で1億円です。
1億円 ÷ 500万円 = 20年
40歳なら60歳。
50歳なら70歳です。
「1億円」という金額だけを見るのではなく、
残りの人生で何年間使うお金なのか
と考える必要があります。
普通に考えれば人生は80年以上あるのです。
1億円と聞けば、かなりの金額ですが、生活するとなれば、20年程度しか支えてくれないのです。
罠⑤ 1億円が入ってきてもお金の管理能力まで上がるわけではない
これが最も大切なポイントかもしれません。
昨日まで100万円を管理していた人の口座に、突然1億円が入ったとしても、
その人のお金に関する知識が100倍になるわけではありません。
投資について詳しくなるわけでもありません。
税金や贈与について突然理解できるわけでもありません。
つまり、
ここに大金を失ってしまう大きな原因があります。
[結局、どのように解決すべきなのか]
もし1億円当たったら、最初に何をすべき?
意外かもしれませんが、一番良い方法の一つは、
高級車を買う。
仕事を辞める。
家を買う。
親戚にお金を配る。
投資を始める。
こうした大きな決断を急いで行わず、まず
「この1億円をどうすれば一生のお金として活用できるか」
を考える時間を作ることです。
例えば、
このように目的別に分けて考えるだけでも、無計画な浪費を防ぎやすくなります。
そして、お金についてもっと勉強してください。
今の時代、お金に関して成功した例、失敗した例など、たくさんのことがインターネット上で見ることが出来ますし、いろいろな知識が紹介されています。
すべてが正しいとは限りませんが、参考になることはたくさんあります。
自分で取捨選択をして、知識を身に付けることも大切です。
1億円より大切なのは「お金との付き合い方」
宝くじの話は極端な例に見えます。
しかし、これは私たちにも関係する話です。
給料が上がった。
ボーナスが出た。
退職金が入った。
相続でお金を受け取った。
投資で資産が増えた。
そんなとき、
「お金が増えたから使っていい」
と生活水準まで上げてしまえば、資産はなかなか残りません。
反対に、収入や資産が増えても生活水準を急激に上げず、余ったお金を貯蓄や長期的な資産形成に回せる人は、お金を残しやすくなります。
結局、人生を豊かにしてくれるのは、
「いくら持っているか」だけではありません。
「持っているお金をどう管理するか」なのです。
もし明日、あなたの銀行口座に1億円が振り込まれたら――。
最初に何を買いますか?
それとも、何も買いませんか?
その答えに、その人の「お金との付き合い方」が表れているのかもしれません。



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